医療関係者の方

  1. HOME
  2. 倫理審査委員
  3. 現在までの審議課題
  4. 平成24年6月19日 委員会審議

現在までの審議課題

委員会審議 平成24年6月19日

申請者 婦人科医長 藤堂 幸治
申請課題 24-1 再発子宮体癌における予後因子の検討
研究の概要

(目的)再発子宮体癌の予後は不良である。再発子宮体癌に対する外科的治療の有用性が示唆されているが、治療外因子として病理学的分化度、無病生存期間、再発部位も再発体癌の予後因子であることが示唆されている。しかし治療因子(外科治療)と治療外因子との関連は検討されておらず、本研究はこれを明らかにすることを目的とする。

(方法)当院、および北海道大学において1986年から2004年までの間に子宮体癌と診断され、なおかつ初回手術として子宮全摘、両側付属器切除、リンパ節郭清が実施され、なおかつ病巣の完全摘出がなされた657症例を背景とする。このうち再発が確認された103例を検討の対象とした。カルテによる後方視的調査で再発時年齢、進行期、病理学的分化度、無病生存期間、初回再発部位、再発部位数、再発時治療を記録し、再発後生存期間との関係をCox回帰分析で検討する。

判定 承認  
申請者 統括診療部長 加藤 秀則
申請課題 24-2 日本産科婦人科学会婦人科腫瘍委員会 婦人科悪性腫瘍登録事業及び登録情報に基づく研究
研究の概要

(方法)日本産科婦人科学会会員が所属する施設で、本事業の趣旨に賛同する施設を登録加盟施設とし、当該年度において、臨床診断、切除標本や生検により病理診診断された子宮頸癌、子宮体癌、卵巣悪性腫瘍、卵巣境界悪性腫瘍の症例をオンライン登録により収集する。

(目的)収集されたデータを用い、1)わが国における婦人科癌(子宮頸癌、子宮体癌、卵巣悪性腫瘍、卵巣境界悪性腫瘍)の進行期・病理学的分類,2)診断・治療の実態,3)治療成績(5 年生存率),4)登録罹患数や治療指標などの年次推移,5)これらの研究成果を患者や社会が利用しやすい情報として提供する方法等について解析・公表し,婦人科癌患者の医療・福祉に貢献することを目的とする。また,登録情報を活用して国際比較研究を行い、わが国の婦人科癌及び婦人科癌医療の特徴と海外との共通点・相違点等を明らかにしてゆくことは、今後ますますその必要性・重要度を増大していくものと考えられる。

判定 承認  
申請者 婦人科医長 藤堂 幸治
申請課題 24-3 子宮体癌におけるリンパ節転移リスクの術前評価に関する研究
研究の概要

(目的)術前に実施された子宮内膜生検、MRI検査、血清CA125値とリンパ節転移との関連を調査し、リンパ節転移リスクに関する術前アセスメントを確立する。

(対象及び方法)当院において1993年から2005年までの間に子宮体癌として治療が行われた症例が背景。そのうち術前に子宮内膜生検、MRI検査、血清CA125の測定が行われ、なおかつ初回手術として子宮全摘、両側付属器切除、リンパ節郭清が実施された症例を対象とする。方法はカルテおよびMRI画像を用いた後方視的調査。MRIによる筋層浸潤、腫瘍体積評価、術前CA125値、生検による病理学的分化度を記録する。術前検査とリンパ節転移との関連をロジスティック回帰分析で検討する。

判定 承認  
申請者 婦人科医長 藤堂 幸治
申請課題 24-4 Type2子宮体癌における傍大動脈リンパ節郭清の治療的意義に関する研究
研究の概要

(目的)type2体癌における傍大動脈リンパ節郭清の治療的意義を検証する。

(対象及び方法)当院および北海道大学において1986年から2004年までの間に子宮体癌として治療が行われた症例が対象。そのうち初回手術として子宮全摘、両側付属器切除、リンパ節郭清が実施され、術後病理検査によってtype2体癌と診断された症例を対象とする。当院におけるリンパ節郭清は骨盤リンパ節郭清のみであり、北海道大学におけるリンパ節郭清は骨盤リンパ節郭清に加え、傍大動脈リンパ節郭清を実施した。方法はカルテを用いた後方視的調査。両術式間における全生存期間、無病再発期間をKaplan-Meier法およびLog rank検定で比較する。

判定 承認  
申請者 頭頸部外科医師 山田 和之
申請課題 24-5 唾液腺癌に対する過去10年間の多施設観察研究
研究の概要

(目的)北日本頭頸部学会加盟12施設の唾液腺癌症例に関するデータを集約し、全体および原発部および病理組織型からそれぞれの特徴や治療経過を分類し、治療方針の標準化を図る。

(対象及び方法)平成14年度から23年度までに今回の研究に賛同した施設に受診した唾液腺癌症例で、診療録を基にデータを匿名化して主任研究者へ提供する。

判定 承認  
申請者 院長 西尾 正道
申請課題 24-6 地域医療連携システム ID-LINK
研究の概要

(目的)地域医療連携システムの構築

(対象及び方法)当院と道内連携医療機関に診療情報を開示するための地域医療連携システムによるコンピュータネットワークを構築し、スムーズな医療連携を行うことを目的とする。

判定 承認  
申請者 北海道医療大学 畑中 陽子
申請課題 24-7 がん疼痛のある外来患者による疼痛緩和のためのセルフケアの実践
研究の概要

(目的)がん疼痛のある外来患者が、自分の望む生活をどのように捉え、がん疼痛を抱えながら自宅での生活の状況に応じて疼痛緩和のためにどのようなセルフケアを実践しているのか明らかにする。

(対象及び方法)対象者はがん疼痛のある外来患者で日常生活がほぼ自立しており、セルフケア及び言語的コミュニケーションが可能な患者とする。がんの種類は限定せず臨死期を除く病期で、化学療法や放射線療法などの治療、痛み止め等の使用の有無も問わないものとする。なお、対象者は研究への参加に文書での同意が得られた者とする。データ収集は半構成的面接法を用いて質的帰納的に分析する。

判定 承認  
申請者 婦人科医長 藤堂 幸治
申請課題 24-8 中リスク子宮体癌におけるリンパ節微小転移実態の解明
研究の概要

(目的)中リスク子宮体癌症例におけるリンパ節微小転移の症例頻度を明らかにする。

(対象及び方法)当院において初回治療を受けた子宮体癌中リスク症例(FIGO国際進行期分類1B期~2期)で転移陰性と診断されていたリンパ節全てを対象とし、パラフィン包埋摘出リンパ節標本を使用して約500ミクロンを深切りして5つのレベルで検索・評価する。

判定 承認  
申請者 婦人科医師 見延 進一郎
申請課題 24-9 子宮頚部上皮内異形成に対するレーザー蒸散法の臨床的有用性に関する検討
研究の概要

(目的)子宮頚部異型上皮に対する治療は、子宮頚部円錐切除を行うのが従来の標準的な考えであった。しかしながら円錐切除は妊娠中の流早産発生のリスク因子となる。一方子宮頚部レーザー蒸散術は組織の摘出を行わないためこうした問題は発生しない。レーザー蒸散術は病変の消失率や再発率において子宮頚部円錐切除に劣る可能性を指摘されているが、十分な検討成績は示されておらず、若年女性の子宮頚部上皮内異形成に対する低侵襲治療として有益である可能性を検討する。

(対象及び方法)子宮頚部上皮内異形成(扁平上皮)と診断され、治療方法として(1)子宮全摘術、(2)子宮頚部円錐切除術、(3)子宮頚部レーザー蒸散術の3つを選択肢として与え、レーザー蒸散を選択した患者を対象とする。

子宮頚部レーザー蒸散術後の細胞診を行い、最低2年間は2-6か月毎の追跡を行う。細胞診異常の判定はASC-H/LSIL/HSILの場合とし、これらの場合病変の遺残もしくは再発と診断する。その他術前後でHPV typing検査を行い、HPV感染率、消失率を副次的に調査する。

判定 承認  
申請者 乳腺外科医師 馬場 基
申請課題 24-10 トリプルネガティブ乳癌患者におけるNF-kB発現局在と治療効果の検討
研究の概要

(目的)トリプルネガティブ乳癌症例は、術前薬物療法を選択する場合が多いが、再増悪する症例が散見される。基礎的実験において、その耐性化とNF-kB核内移行に関連性が示唆されており、臨床検体(病理標本)を用いて臨床データと相関性を検討し、その治療抵抗性(耐性化)の機序とNF-kB核内移行の関連性を明らかにする。

(対象及び方法)対象は2002-2011年に当科で治療を行ったトリプルネガティブ乳癌症例。診療録・病理組織検体(NF-kBを新たに染色評価)ならびに既存のデータを用い統計処理、解析を行う。

判定 承認  
申請者 病理主任 平 紀代美
申請課題 24-11 EGFR遺伝子変異検出精度に及ぼす細胞検体処理用固定液の影響についての研究
研究の概要

(目的)肺がん患者へのチロシンキナーゼ阻害剤の使用の前提にはがん細胞の同定に留まらずがん細胞のEGFR遺伝子変異の有無の判定が必要である。気管支擦過や気管支洗浄細胞診は肺がんの診断には最も感度の高い診断法のひとつであるが、一度の検査で従来の細胞診断と遺伝子診断を同時に行うための検体の振り分けや前処理についてのエビデンスはない。一方、液状化細胞診(LBC)は診断精度を向上させる方法として最近呼吸器検体でも取り入れられつつあるが、その固定液の中にがん細胞が浸された場合のEGFR遺伝子変異検査に与える影響については知られていない。

本研究では術中迅速診断のために提出された腫瘍の割面から擦過採取した細胞検体を用いてこの関連性を基礎的に検証し、細胞診とEGFR遺伝子変異検査を効率的に行う方法を検討するものである。

(対象及び方法)研究利用承諾書により同意を得た患者を対象に術中迅速診断に提出された腫瘍の割面から擦過採取した細胞をサイトリッチなどの各種固定液で処理したものを用いてEGFR遺伝子変異の検査を行ない、その結果と細胞像を対比する。遺伝子検索は外部委託にて行い、外部委託に提出する際は匿名化する。

判定 承認  

- 現在までの審議課題一覧へ戻る -

このページのトップへ